少し前の新聞の記事で、内海桂子さんの言葉が載っていました。
内海さんは大正生まれの漫才師で、音曲漫才コンビ「内海桂子・好江」を組んで人気を博し、97年に好江さんが亡くなったのちもピン芸人として活躍しています。
2012年のインタビューで当時確執があった政治家の野田佳彦と小沢一郎について「もっと膝を突き合わせて『俺はこうだ!』ってやりとりがあればいいのに。お互いに喧嘩をすると損することが多いから、喧嘩をしない。損得を気にしてちゃ、埒があかない」さらに続けて当時90歳が間近だった桂子さんは「生まれ変わったら・・・世の中を良くしたい。もっと粋な浮世にしたいね。今の世の中、野暮すぎる」
発言が、カッコよくないですか?
しばらくして偶然テレビ番組でラッツ&スターの「め組の人」の音楽が流れてきました。
~いなせだね、夏を連れてきた女 渚まで 噂走るよ めッ!~
いなせというフレーズ。
後は、サザンの「いなせなロコモーション」を聞く時しか日常で耳にすることはありませんが、少し気になったので調べてみました。
粋もいなせもどちらも江戸っ子の気風な感じはしますよね?
私が持っているのは時代劇の「暴れん坊将軍」に出てくる町火消「め組」の長次郎のイキでイナセなイメージです。
調べてみると、遠からず といったところでしょうか?
鯔背(いなせ)は江戸の魚河岸(築地みたいなところ)にいるような威勢が良い、腕っぷしも強い、金払いもいいお兄さんが「鯔背銀杏」という髪型を結っていたのが由来とのことです。
通常、真ん中に髷があるのを曲げて結った感じの髪型です。
現代でもそうですね。
「ちょっと崩したくらいの方がカッコいい」
それが流行ったみたいです。
その曲がり加減が鯔(いな)=ボラの背に似ているということから「鯔背(いなせ)」と呼ばれるようになったそうです。
小意気な風情の若者。それがイナセ。
そして、粋(いき)とは、若くなくても使います。男女問わず広く使われます。容姿がいい、立ち居振る舞いがいい、さっぱりとしていてそこはかとない色気があり、風流を解している・・・心意気だったり、これまた江戸を中心に広まった美学です。
「感動する!日本史」や『人生に悩んだら「日本史」に聞こう』等、様々な本を出されている白駒妃登美さんという方がいらっしゃいます。
この方の本は日本人の歴史や偉人についてとても優しく、読みやすく書かれてあります。読んでいただくと、自分が本当に日本人で良かったと改めて思えます。どの著書も子どもと一緒に読んで頂きたい本ばかりです。
以前、公演会に参加させてもらった時のこと。
白駒さんに影響を与えた祖母の話をお聞きしました。
祖母はとてもハッキリした性格の方だったようで
「粋」か「野暮」か?という2つの明確な基準を持たれていたようです。
そして、何かの影響で、誰かのせいで、
自分の感情の1つも自分でコントロールできないようようではそれは「野暮」
そのようなことを仰ったそうです。
粋でもいなせでもなく、「野暮」なんです。
人は すぐ何か嫌なことがあったりしたら「〇〇のせいで・・・」と原因を外に持っていき腹を立てたり、余裕がなくなって、時に他人に当たったりしてしまいがちです。
もうすぐ42歳。
「イナセ」を気取るには年を取ってしまいましたので、
江戸っ子ではありませんが、
「粋」な余裕のある大人の振る舞いができるように、
先ずは何もにも左右されず、自分の感情を自分でコントロールしたいものです。
・・・そうは言いながらも
早速 暑い日差しに、スグ文句付けてしまうんだよなぁ~
まだまだです。
てやんで~っ!