B016.言葉のチカラ。

日本には言霊(ことだま)という表現があります。

古来より言葉には力がある(発した言葉が現実に何らかの影響を与える)と信じられてきました。

良い言葉を発すると良いことが起こり、不吉な言葉を発すると悪いことがおこる。

古事記の下巻には言霊が神格化された一言主神の記述もあるそうです。

私自身、言葉の力を信じています。

なので極力、ネガティブな言葉は使わないようにしています。

気が滅入っているときの心の栄養として、本に載っている偉人・有名人の名言を読んだり、好きな芸能人のインタビューの際に発した言葉に共感したりしています。

最初に「言霊」を意識したのはいつだろうと考えました。

あれは…きっと、サザンの曲。

サザンオールスターズの「愛の言霊」(1996年)

あれですね。

あの時、「言霊ってなんだっけ?」って意識したような気がします。

気落ちしているときに救ってくれるのが、偉人の名言か?と言うと、そういうわけでもありません。

私はもう芸能界を引退されましたが、島田紳助さんの「島田紳助100の言葉」に何度も助けられました。

心が疲れていると、きれいな言葉は入ってこないことも多いものです。

何せ、気持ちがヤサグレていますから、「キレイごとか?」と思って心が受け入れてくれない。

すると、耳障りでも「ストレートな物言い」や「生の声」が心に響いたりします。

今悩んでいることは、大したことじゃない。昔すごく悩んだあのことだって、今思うと大したことなかったじゃないですか。あと少し時間が経てば何でもないことに変化するはずです。心の悩みは、必ず時間が優しくゆるやかに消してくれます。

世間体などクソ食らえです。自分が思っている程、世間は何とも思っていないのです。自分のことはデカく感じるのです。坂東英二さんが私に名言を吐きました。ニキビと同じ、本人だけがデカく感じるんだと。確かにその通りです・・・。だから、世間なぞ気にして小さくなるな。坂東さんとは長い付き合いですが、唯一の名言です。もう、出ないでしょう。板東英二、最後の名言です。

島田紳助100の言葉。より

生きた言葉によって救われる事もある一方で、言葉が刃となって相手を傷つける事もあります。

私が高校生の時は、ポケットベルで文字を相手に伝えるのにも苦労しました。

ポケベル、PHS、携帯、スマートフォンと機械はドンドン進化してきました。

一瞬で相手に言葉を伝えることができます。

SNSを利用してのコミュニケーションも盛んになりました。

その一方で相手に対しての誹謗・中傷も匿名で簡単にできるようになりました。

言葉で相手を追い込むこともできます。

言葉には力があります。

出来るのであれば良い言葉を使って相手を元気に、気持ち良くさせたいものです。

最近、テレビ番組等の影響で俳句が人気です。

限られた17文字(5・7・5)で相手に情感を伝える。

テクニックだけでなく、言葉の美しさやテンポ。素晴らしい俳句は人を魅了します。

サラリーマン川柳もそうです。

(自分だけじゃないんだ・・・)

あの川柳に勇気づけられるサラリーマンも多いはずです。

少し長めでいくと短歌があります。

黒板に書かれることがすべてなら 白いチョークを一つ下さい

九州女子大学主催(1997年)全国詩歌 第一回コンクールで入賞した樋口リカさん(当時:高3)が書いた詩です。

なんとも響く詩です。

板書ばかりできっと面白くもない、価値を見出せない授業をする先生に対して でしょうか?

誰もが抱く高校生の感情を代弁し痛烈な非難を込めつつも、最後には爽快感を残す詩です。

思えば樋口リカさんは同世代。

私も同じく

人を勇気づけたり、感動させたり、人に力を与えられるような言葉を日々発信していきたいものです。