B033.あの夏の暑い日。

血のりのカプセル。

中学生の時に宮交シティの3階のパーティコーナーでドキドキしながら買いました。

当時、目を引いていたのは

血のりのカプセルと口に入れたらドラキュラの歯みたいになるヤツとゾンビみたいなホラーの被りマスク。

お小遣いで買いました。

問題は買ったのはいいが、「どこでどう使うか?

そうだ!

部活の時にそれを使って、みんなを驚かせよう!

計画を立てて、実行のタイミングを見計らっていました。

夏休みになりました。

部活の顧問役の先生は職員室で会議。

そして、血のりカプセル大作戦を一人で実行。

走ってる最中に倒れました。

わざとらしく咳き込みます。

「ゴホゴホッ!!」

中学生、迫真の演技です。

血が地面に飛び散ります。

「ワ~っ!」って、なって盛り上がったところで・・・

自分の中では『うっそ~!これ血のり~驚いた?』という流れでした。

計画通り、「やってやった感」100%です。

と、ここまでは良かったのですが。

ツメの甘いところがありました。

誰にもこの計画を話していなかったおかげで成功したこの血のり大作戦。

しかし、誰にも話をしていなかったおかげで現場は大パニックになりました。

救急車を呼べ!!

先生のところへ行って知らせてこい!!

若干の余韻に浸っていた私が身体を起こした時には、後輩が職員室へ向かってスタートダッシュしていました。

うちの部活は陸上部、スタートダッシュの練習は いつもしています。

しかも、私 当時キャプテンでした。

すぐさま、「違う違うぅ~!!」と叫びながら後輩を追いかけましたが、時すでに遅し。

全教師が集まる職員室へ飛び込んだ後でした。

幸い、当時は携帯電話がまだ普及しておらず救急車を呼ぶ一歩前に収まったので更に学校外まで大騒ぎになることはありませんでした。

今の時代でこれやっていたら、スマホから即、救急車を呼ばれていました。

即アウト!

携帯電話がなかったあの頃。それはそれで良き時代だったのかもしれません。

その後、生活指導の先生にメッチャメチャ怒られました。

口の周りに血のりをベットリつけたまま。

教訓として、何か物事を起こすときには最低限度の協力者は必要なのだと学びました。

その後、血のりを口に含んではおりません。

あの夏の暑い日、以来。