B027.泣ける仕事をしよう。

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前回、B020.コンチキチンでも少し触れましたが、転職をする前に約9年人材派遣会社の営業の仕事をしていました。入社当時は人材派遣法の規制緩和がなされたタイミングで業界的には急拡大をしている時期でした。

馴染みの少ない方も多いかと思いますが、人材派遣会社は大きく一般派遣と特定派遣に分かれていています。

特定派遣とは、派遣会社の正社員として常用雇用契約を結んだ後、労働者を必要とする派遣先に派遣され、そこで派遣社員として仕事をするという派遣の形です。エンジニア等、専門性の高い業種で主に採用されていた派遣の形です。

一般派遣とは、派遣会社に労働者として登録した後で、その技術力や条件にあった仕事を見つけ、派遣先との条件が合ったときに派遣契約を結ぶ形態です。

このコロナショックの状況で雇用を失う可能性が高いのは、この一般派遣の形態です。

私はリーマンショックの時でしたが、長年働いて頂いていたスタッフさんの派遣契約が終了する際、次の仕事を紹介できなかったことが悔しく、申し訳なくてたまりませんでした。

人と人を繋ぐビジネスはとても繊細で難しいものです。

人材派遣会社を高い時間給を請求して「ピンハネ」しているだけだというイメージを持たれている方もいらっしゃいます。

昔の人程、特にそのような傾向があります。

ただ、実際は派遣してマージン取るだけの楽な仕事じゃないんです!

人は感情の生き物なので、ちょっとしたことで仕事に影響を及ぼします。

常に派遣会社の人間は「派遣先」と「スタッフさん」の板挟みになります。

雇用は派遣会社がしているので、トラブルの殆どは派遣会社で対応をします。

「スタッフさんが来ない」「辞めたい」は良くあること。

板挟みに合い、精神的にしんどい為、人材派遣業界の社員は離職率が高く、入れ替わりが激しいのも事実です。

私が過去に相談受けたケースで、キツかったのは

スタッフさんからの相談で、「店長が臭い」と言われたケース。

店長側は派遣先の「大切なお取引先の指揮命令者」、かといって大事なスタッフさんが快適に仕事をできるように職場環境を改善しなくてはならない。

でも、店長に「店長が臭いのでスタッフが辞めたがっています」とは言えない。

「そもそも、店長に臭いっていえるか??

いろいろ問題がありました。

この件は、かなり遠くから事態をオブラートに包んで店長に伝え、何とか解決しました。

恐怖だったのが、

少し精神的に不安定になって会社を休みがちなスタッフさんから、夜9時ごろに届いた突然のメール。

睡眠薬をこれから飲んで寝ます

意味深なメールがこれだけ。

「ヤバい~!!」

スグにスタッフさんの家に向かいました。

到着したのは22時半頃。

ただ単に睡眠薬を飲んで寝ただけの話で、全く命に大事はありませんでしたが。

データ入力の委託案件では100人くらいのスタッフさんを採用してシフトを組んだりフォローをしてきました。

入力スピードが目標に達せず、人も集まらず。

人生で初めて、土下座というものを経験しました。

いつでも必死でした。

その時の上司が言っていました。

「泣ける仕事をしよう!」と。

人は感情の生き物です。

嬉しい時、苦しい時、楽しい時、悔しい時。

それぞれ、いろいろな瞬間があります。

けれども、涙を流して感情が出てくる瞬間があるとすれば、それは本当に一生懸命に打ち込んでいたから。

甲子園で負けた高校球児は涙を流して悔しがります。

それは一生懸命必死になって今までやってきたから。

汗臭く、泥臭く必死になってるから泣ける。

「仕事も同じかな」と思います。

全てがいつも全力で、というわけにはいきませんが

「ここぞ!」というところで必死の力を注ぎ、全力で取り組み、泣けるほどの成果を残したい。

そして、かつての上司が教えてくれたように「泣けるほど仕事に打ち込む大切さ」を後輩たちにも伝えたいと思います。

ちなみにその上司がB020.コンチキチンでタクシーで拉致されそうになった上司です。