B014.メンターU氏(マル編)

メンターU氏には溺愛する犬がいました。

名前はmaru

何をするにも一緒!

U氏が子犬の時からお世話をしてきました。

車の助手席に座らせて、一緒にドライブ。

会社の1泊キャンプに連れてきて、犬は泊まれないと聞くと一緒に帰ってしまうくらい。

いつも一緒でした。

しかし、犬の寿命は12〜15年と短いもの。

一緒にいる時間が長い分だけ、maruも段々と弱っていきました。

小さな女の子が、大人の女性になり、U氏の年齢を超えて、おばあちゃんになってきました。

いつも一緒だった散歩。maruは足腰が悪くなって散歩が出来なくなりました。

すると、U氏がmaruを抱えて散歩していたそうです。

「わしがmaruを抱えて歩くんじゃ!」

その話を何度も聞きました。

一歩間違えば、老人が老女を抱えて徘徊…

(独特な散歩スタイル…それは散歩なのか??)

その犬を溺愛する姿を見ていた近所の人々はmaruが亡くなったら、U氏がショックのあまり…ペットロスで大変な事になるんじゃないかと心配していました。

そして、maruのお迎えの日がきました。

メンターU氏は悲しくて悲しくてたまりません。

「もう、こんな悲しい思いをするんなら今後一切犬なんて飼わない!!」

何度も何度も繰り返し言っていました。

U氏。

相棒が居なくなり、やはり、元気がありません。

しばらくして…

U氏の娘さん(人)が若い犬を買ってきました。

すぐに、おじいさんと犬の散歩が始まりました。

新しい若い犬はnanaと名付けられました。

ん??

早くない?

あれだけ言っていました。

もう、飼わない!宣言。

ん?ん??

あれって、飼わないじゃなくて買わないってことだったの??

自分が買ってなくて、娘が買ってきたらオッケーって言うルール??

ともあれ、ペットロスを乗り越えて元気に毎日じいちゃんは犬と散歩を楽しんでいます。

朝と夕方、1時間半くらい散歩するのだとか。

「飼わない」と「買わない」

とんちの聞いた切り返しで犬を買い与え、U氏をペットロスから復活させた娘さん。

お見事です!